モバイルサイトを正しく Google に認識させるためには

2009年10月19日月曜日

皆様もご存知のように日本は携帯電話普及率が非常に高く、たくさんの人が携帯電話を日常的に利用しています。その用途は通話やメールに留まらず、ウェブサイトの閲覧も携帯から行う人が増えており、 Google モバイル検索 における検索件数は、日本国内からの全検索件数の少なくない割合を占めています。ただ、モバイルサイトの運営は、それほど容易なことではありません。モバイルサイトには通常のウェブサイト(デスクトップ版のサイト)とは異なるフォーマットが使われ、運営方法やノウハウもデスクトップ版サイトとは大きく異なるため、その管理は、ウェブマスターの皆様にとって新たなチャレンジとなっているのではないでしょうか。モバイル検索のエンジニアとして様々なサイトを調査していると、携帯電話からの閲覧を想定して設計されているものの、それ以外のソフトウェアがアクセスすることは念頭に置かれていなかったため、Google のインデックスに正しく登録されていないモバイルサイトが多数あるのを見かけます。Google の検索を通じてユーザーがあなたのサイトと出会うには、まず、あなたのサイトが Google に適切にインデックスされている必要があります。

そこで今回は、あなたのモバイルサイトを正しく Google のインデックスに登録するためのヒントをご紹介したいと思います。

そもそもモバイル検索結果にウェブページが出てこない場合

モバイル検索 "site:" 演算子 を使って検索しても、あなたのサイトのウェブページが検索結果に出てこない場合は、サイトに以下の 2 つのいずれか、もしくは両方の問題があることが考えられます。
Googlebot がサイトを発見できていない

Google は Googlebot と呼ばれるプログラムを使ってウェブページ情報を取得し、これをもとに検索インデックスを作っています。サイトが作られて間もないと、Googlebot がまだそのサイトの存在に気付いておらず、ウェブページ情報が取得されていない可能性があります。そのような場合は、 モバイルサイトマップ を作成し、Google に送信することで、その存在を教えてください。モバイルサイトマップは通常のサイトマップ同様、 ウェブマスターツールを使って送信 することができます。

Googlebot がサイトにアクセスできない

モバイルサイトのなかには携帯電話以外のアクセスを禁止しているため、Googlebot もアクセスすることができず、検索できなくなっていることがあります。モバイルサイトの収集に使われる Googlebot は、ユーザーエージェント情報に "Googlebot-Mobile" という文字列を含んでいますので、"Googlebot-Mobile" を含むユーザーエージェントからのアクセスも許可するようにしてください。なお、Google はユーザーエージェント情報を予告なく変更することがありますので 、現在の Googlebot-Mobile が使っているユーザーエージェントと完全に一致するかどうかで比較することは推奨されません。ユーザーエージェントが "Googlebot-Mobile" という部分文字列にマッチするかどうかのみで判断してください。

モバイルサイトの中には特定の IP アドレス帯域からのアクセスのみを許可することで確実に携帯電話以外のアクセスを禁止する手法が用いられることがあります。このように IP アドレス帯域を限定すると、Google も含めた各種の検索エンジンからのアクセスも禁止されてしまいますし、検索エンジンや携帯電話以外の携帯機器からのアクセスができないと最終的にユーザーの数が増えにくくなると考えられます。しかしもしどうしても IP アドレス帯域を使った制限を外せないというサイトを運営されている方のために、 Googlebot-Mobile で使用する IP アドレス帯域を公開 していますので、この IP アドレス帯域からのアクセスも許可していただきますよう、お願い致します。

モバイルサイトが、モバイルサイトとして認識されていない場合

Googlebot-Mobile はウェブページ情報を取得してインデックスすると同時に、取得したページが実際に携帯電話で閲覧可能かどうかをチェックしています。Googlebot が携帯電話で閲覧できないと判断したページはモバイルページであるとみなされず、モバイルサイトのインデックスに登録されません( PC サイトのインデックスに登録される可能性はあります)。この判定は様々な情報に基づき行われますが、DTD(Doc Type Definition, 文書型定義)宣言もそのひとつです。適切に XHTML Mobile や Compact HTML など携帯端末向けのフォーマットの DTD を宣言していれば問題なくモバイルページとして登録されるでしょう。詳細は、 携帯サイトウェブマスター向けのガイドライン をご参照ください。

また、先日 ウェブマスターヘルプフォーラム に、 モバイルサイト というカテゴリが追加されました。モバイルサイトの検索結果に関するご意見、ご質問は、是非こちらにご投稿ください。


2012/1/12 追記
2011 年 12 月より Google では、Googlebot-Mobile に加えて、スマートフォンのユーザーエージェントを使用した Googlebot-Mobile によるクロールを開始しました。詳しい情報は、ブログ記事「 スマートフォン版 Googlebot-Mobile の導入について 」をご覧下さい。