このガイドでは、Google 広告 UI でのレポートのコンセプトと命名規則を、Google Ads Query Language(GAQL)と Google Ads API を使って生成できるレポートと合わせて説明します。
一般的な UI 用語
次の表は、管理画面でよく使われる用語の一部と、Google 広告クエリ言語(GAQL)への対応をまとめたものです。
UI | GAQL |
---|---|
列 | GAQL クエリの SELECT 句内の任意のリソース、セグメント フィールド、指標。 |
期間 | 日付範囲は、segments.date でフィルタリングされる WHERE 句にマッピングされます。 |
フィルタ | WHERE 句内の 1 つ以上の条件。 |
セグメント フィールド | GAQL クエリにセグメント フィールドを追加して、セグメンテーションを適用します。 |
Pagination | Paging では、クエリの結果セットが複数のページに分割されます。 |
表示項目
UI の列は、GAQL のリソース フィールド、セグメント フィールド、指標に相当します。
フィルタリング
期間
Google 広告の管理画面には、アカウントの統計情報を表示する表と、統計情報の期間を管理するプルダウン メニューがあります。
GAQL で同様の制御を行うには、GAQL クエリの WHERE 句で segments.date
でフィルタします。
フィルタ
UI のフィルタは、GAQL の WHERE 句の 1 つ以上の条件に相当します。
セグメンテーション
データをセグメントごとに分割すると、掲載結果をより詳細に把握できます。たとえば、Google 検索ネットワークと Google ディスプレイ ネットワークを分けて確認したいとします。この場合、レポートをネットワーク別に分割します。SELECT 句にセグメント フィールドを含める方法については、セグメンテーションをご覧ください。
ページネーション
UI でレポート内を移動するには、各データ表の下部にあるコントロールを使用します。このコントロールでは、ページを切り替えたり、定義済みのサイズセットから表示する結果の数を選択したりできます。
結果をページ分割するには、GoogleAdsService.Search
から next_page_token
を使用してレポートを取得します。ページ分けなしで結果セット全体を取得するには、GoogleAdsService.SearchStream
を使用します。
並べ替えの結果
UI では、列を選択して結果を並べ替えることができます。
GAQL では、ORDER BY 句と LIMIT 句を使用してクエリ結果を並べ替えることができます。
ダウンロード形式
UI では、CSV、TSV、XML などのさまざまな形式でレポートをダウンロードできます。
API は出力で異なる形式を直接サポートしないため、なんらかの後処理を実行する必要があります。クライアントに CSV 形式を実装する方法を示すコードサンプルをご覧ください。
レポートのスケジュール設定とメール送信
レポートのスケジュール設定とメール送信は UI では可能ですが、API ではサポートされていません。
事前定義レポート
Google 広告の管理画面で、事前定義レポートのリストを作成できます。
以下は、事前定義された基本的なレポートと、対応する GAQL リソース名のリストです。
基本の事前定義レポート | GAQL リソース名 (FROM 句で指定) |
---|---|
アカウント | customer |
キャンペーン, キャンペーンの詳細 |
campaign |
広告グループ, 広告グループの詳細 |
ad_group |
広告、 最終ページ URL |
ad_group_ad |
検索キーワード | keyword_view |
検索キーワード | search_term_view |
有料およびオーガニック | paid_organic_search_term_view |
ランディング ページ | landing_page_view |
展開後のランディング ページ | expanded_landing_page_view |
上記の表の例では、次の GAQL を使用してアカウント レポートを生成できます。
SELECT
customer.descriptive_name,
customer.id,
metrics.clicks,
metrics.impressions,
metrics.ctr,
metrics.average_cpc,
metrics.cost_micros,
metrics.absolute_top_impression_percentage,
metrics.top_impression_percentage,
metrics.average_cpm
FROM customer
WHERE segments.date DURING LAST_7_DAYS
一般的な相違点
UI レポートと API レポートを比較する場合、最も一般的な違いの一つは、UI では削除されたエンティティが暗黙的に除外されるのに対し、API では除外されないことです。
デフォルトの UI ビューを複製するには、通常は status
フィールドを使用してフィルタを追加し、削除された行を除外する必要があります。次に例を示します。
SELECT campaign.name
FROM campaign
WHERE campaign.status != "REMOVED"