パスバックタグ

Google パブリッシャー タグ(GPT)ライブラリを使用すると、「パスバック」機能を備えた広告タグを生成できます。パスバックタグは、第三者への広告リクエストに対して最終的にはお客様自身の Google アド マネージャー ネットワークの広告を返す場合に使用できます。

ユースケース

空き枠または代替の広告申込情報

第三者のサーバーから配信する広告がない場合や、広告が第三者と合意した最低 CPM または最低料金を満たしていない場合、パスバックタグを使用できます。このような場合は、第三者サーバーから代わりに GPT パスバックタグが配信されます。このタグは、お客様自身のアド マネージャー ネットワークから自社広告またはその他の空き枠広告を返します。

別のパブリッシャーのウェブサイトに広告を配信する

パスバックタグを使用すると、アド マネージャー ネットワークの広告を別のパブリッシャーのウェブサイトに配信できます。こうした場合は、GPT パスバックタグが他のパブリッシャーによってトラフィックされ、お客様自身のアド マネージャー ネットワークから広告が返されます。

動画広告を配信する

動画パスバックを作成するには、標準の動画タグを使用して第三者からアド マネージャーへのパスバックを設定します。

このタグは手動で作成することも、アド マネージャーの動画タグ作成ツールを使用して作成することもできます。

パスバックタグを作成する

パスバックタグは、通常の GPT 広告タグの作成に使用するのと同じ API を使って作成できます。ただし、パブリッシャーのウェブサイトでアクティブな他の GPT インスタンスからページレベルの設定を継承しないように、パスバックタグは iframe 内でレンダリングする必要があります。

パスバック タグの基本的な例を以下に示します。このフラグメントは iframe 内でレンダリングされることを目的としています。実際に確認するには、Glitch でこの例のライブデモをお試しください

<script src="https://securepubads.g.doubleclick.net/tag/js/gpt.js" crossorigin="anonymous" async></script>
<div id="gpt-passback">
  <script>
    window.googletag = window.googletag || {cmd: []};
    googletag.cmd.push(function() {
        googletag.defineSlot('/6355419/Travel/Europe', [728, 90], 'gpt-passback')
          .addService(googletag.pubads());
        googletag.enableServices();
        googletag.display('gpt-passback');
    });
  </script>
</div>

パスバックタグを設定する

パスバック タグは、Key-Value ターゲティング ガイドコードサンプルで説明されているような、GPT タグで利用可能な通常の範囲の機能をサポートしています。パスバック タグに固有の機能、またはパスバック コンテキストで使用する場合の特別な構成が必要な機能について、以下で説明します。

クリック トラッキングを有効にする

パスバック タグにクリック トラッキングを追加するには、以下の例のようにリンク先 URL マクロをタグに追加します。このリンク先 URL は、アド マネージャー広告サーバーに保存されているリンク先 URL の前に動的に追加されます。

<script src="https://securepubads.g.doubleclick.net/tag/js/gpt.js" crossorigin="anonymous" async></script>
<div id="gpt-passback">
  <script>
    window.googletag = window.googletag || {cmd: []};
    googletag.cmd.push(function() {
        googletag.defineSlot('/6355419/Travel/Europe', [728, 90], 'gpt-passback')
          .addService(googletag.pubads())
          .setClickUrl('%%CLICK_URL_UNESC%%');
        googletag.enableServices();
        googletag.display('gpt-passback');
    });
  </script>
</div>

プライバシー設定を継承する

パスバック タグは iframe でレンダリングされるため、ページ単位で設定されたプライバシー設定は自動的に継承されません。パスバックを使用してアド マネージャーのサイト運営者から別のサイト運営者に広告を配信する場合は、TFCD マクロを使用して、現在のページレベルの子ども向けコンテンツの取り扱い設定をパスバック広告リクエストに含めることができます。

<script src="https://securepubads.g.doubleclick.net/tag/js/gpt.js" crossorigin="anonymous" async></script>
<div id="gpt-passback">
  <script>
    window.googletag = window.googletag || {cmd: []};
    googletag.cmd.push(function() {
        googletag.defineSlot('/6355419/Travel/Europe', [728, 90], 'gpt-passback')
          .addService(googletag.pubads())
        googletag.pubads()
          .setPrivacySettings({childDirectedTreatment: Boolean('%%TFCD%%')});
        googletag.enableServices();
        googletag.display('gpt-passback');
    });
  </script>
</div>

子パブリッシャーの広告枠を管理する

クライアント管理(MCM)は、他のパブリッシャーからお客様のアカウントに委任された広告リクエストへのアクセスを許可するアド マネージャーの機能です。詳細については、複数のクライアント管理についてをご覧ください。

MCM を使用するには、親パブリッシャーのパスバック タグを更新して、子パブリッシャーのアド マネージャー ネットワーク コードを含める必要があります。これにより、アド マネージャーで子パブリッシャーのネットワークが認識され、クリエイティブが正しく配信されるようになります。

<script src="https://securepubads.g.doubleclick.net/tag/js/gpt.js" crossorigin="anonymous" async></script>
<div id="gpt-passback">
  <script>
    window.googletag = window.googletag || {cmd: []};
    googletag.cmd.push(function() {
        googletag.defineSlot('/6355419,1234/Travel/Europe', [728, 90], 'gpt-passback')
          .addService(googletag.pubads())
        googletag.enableServices();
        googletag.display('gpt-passback');
    });
  </script>
</div>

上記の例では、6355419 が親パブリッシャーのアド マネージャー ネットワーク コード、1234 が子パブリッシャーのネットワーク コードです。

ページの URL を指定

パスバックタグは iframe でレンダリングされるため、GPT はタグが配信されるページの URL を特定できないことがあります。Ad Exchange または AdSense を使ってパスバックのインプレッションを埋める場合は、ページの URL がないと、ページのコンテンツ情報を購入者に送信することができません。広告掲載率の低下や CPM の引き下げにつながる可能性があります(場合によっては広告リクエストが却下されます)。

これを回避するには、PATTERN マクロを使用して、第三者のネットワークまたは広告サーバーにページ URL 情報を提供します。この情報を page_url 属性としてパスバック タグに追加できます。

<script src="https://securepubads.g.doubleclick.net/tag/js/gpt.js" crossorigin="anonymous" async></script>
<div id="gpt-passback">
  <script>
    window.googletag = window.googletag || {cmd: []};
    googletag.cmd.push(function() {
        googletag.defineSlot('/6355419/Travel/Europe', [728, 90], 'gpt-passback')
          .addService(googletag.pubads());
        googletag.pubads().set('page_url', 'URL');
        googletag.enableServices();
        googletag.display('gpt-passback');
    });
  </script>
</div>