GA4 e コマース（タグ マネージャー）: ユニバーサル アナリティクスのイベントを送信する

このガイドでは、既存のユニバーサル アナリティクス（UA）（タグ マネージャー）e コマース実装を使用して、e コマース イベントを Google アナリティクス 4（GA4）プロパティに送信する方法を説明します。

その他の移行ガイドとリソースについては、デベロッパー移行センターをご覧ください。

結果

このガイドに従うと、既存の UA 実装を使って新しい GA4 プロパティのデータが入力されることになります。既存の UA 実装はそのままで、UA e コマース レポートに引き続きデータが取り込まれ、新しい GA4 プロパティもデータの受信を開始します。

始める前に

1. e コマース移行ヘルパーツールを使用して、現在の実装が次の条件を満たしていることを確認してください。

   • UA プロパティを使用していること
   • サイトでタグ マネージャーとデータレイヤーを使用して e コマース イベントを送信していること

2. 各オプションのトレードオフについては、e コマース実装の移行オプションをご覧ください。このガイドの手順に従うと、既存のタグ マネージャー UA 実装が GA4 に使用されることになります。そのような結果を本当に望んでいるかどうかをご確認ください。

3. GA4 プロパティへの送信時の UA イベントの変換方法については、イベント互換性に関するリファレンスをご覧ください。

トレードオフと考慮事項

以下の情報をご確認のうえ、GA4 プロパティで既存の UA（タグ マネージャー）e コマース実装を使用する場合の影響について十分に理解するようにしてください。

長所

デメリット

既存の e コマースデータレイヤー実装を変更する必要がないため、最も簡単な実装方法です。 GA4 と UA のレポートの両方で e コマースデータを確認できます。 UA プロパティでの e コマースデータの収集方法とレポート方法に変更はありません。

決済の進捗状況と決済オプションに関連するイベントは、GA4 イベントに簡単にマッピングできません。決済オプション情報は GA4 の e コマース レポートに表示されない可能性があります。 サポートされていない決済の進行状況やオプションのイベントを送信すると、関連付けられているパラメータが GA4 でカスタム イベントとカスタム パラメータとして扱われます。ただし、items パラメータはサポートされていないため、データは Google アナリティクスに送信されません。 GA4 の「カートの詳細 / 離脱」目標到達プロセス レポート内の「配送情報を追加」ステップは空になります。 GA4 の「商品 / サービス / アイテムリスト」目標到達プロセス レポートの「リストクリック」ステップは空になります。 カテゴリの / 区切り文字は GA4 で認識されません。 ですから、GA4 では cat1/cat2/cat3 は 3 つのカテゴリ（cat1、cat2、cat3）ではなく 1 つのカテゴリとしてレポートされます。

実装

1. 新しい GA4 プロパティを作成して設定する

次の手順で、新しい GA4 プロパティを作成して設定します。

1. 新しい GA4 プロパティを作成します。
   • GA4 設定アシスタントを使って新しい GA4 プロパティを自動的に作成し、UA プロパティからプロパティ名、ウェブサイト URL、タイムゾーン、通貨設定をコピーします。ただし、[既存のタグを使用してデータ収集を有効にします] オプションはオフにして、接続済みのサイトタグ機能を無効にします。UA プロパティから設定をコピーしない場合は、GA4 設定アシスタントを使用せずに GA4 プロパティを作成します。
2. Google アナリティクス 4 設定タグを追加します。
   1. 既存の UA 実装の Google タグ マネージャー コンテナを開きます。
   2. [タグ] > [新規] をクリックします。
   3. [タグの設定] をクリックして [GA4 設定] を選択します。
   4. GA4 プロパティの測定 ID を入力します。
   5. 全ページ（または測定するページのサブセット）のタグをトリガーするよう選択します。
   6. タグ設定を保存して公開します。

2. GA4 イベントタグ設定を追加して、e コマース イベントを測定する

UA タグ設定ごとに、GA4 イベントタグ設定を追加して、GA4 で同等の e コマース イベントを測定する必要があります。

UA e コマース イベントごとに、対応する GA4 イベントを作成するための一般的な手順は次のとおりです。

1. 新しいタグ設定を作成し、[GA4 イベント] を選択します。
2. イベントの名前には、UA イベントと GA4 イベントとの互換性の表や e コマース移行ヘルパーを使って、ユニバーサル アナリティクスの e コマース アクティビティに適した GA4 イベント名を見つけます。たとえば、商品のインプレッションを測定するイベントを作成する場合、GA4 イベント名は view_item_list になります。
3. [詳細設定]、[e コマース] の順に移動して、[e コマースデータを送信] をオンにします。
4. [データソース] で [データレイヤー] を選択します。
5. [トリガー] セクションで、タグを配信する適切なトリガー（対応する UA の e コマース イベントで使用されるものと同じトリガー）を選択します。
6. [保存] をクリックします。

UA e コマース アクティビティごとに、上記の手順を繰り返します。完了したら変更を公開します。

例: UA イベントから GA4 イベントを作成する

次の例は、UA のタグ マネージャーで実装された商品クリックの e コマース イベントに同等な GA4 イベントを作成する方法を示しています。

次のコードでは、データレイヤーを使用して実装した UA で商品クリックが測定されます。カスタム イベント名は productClick です。

<script>
/**
 * Call this function when a user clicks on a product link. This function uses the event
 * callback datalayer variable to handle navigation after the ecommerce data has been sent
 * to Google Analytics.
 * @param {Object} productObj An object representing a product.
 */
function(productObj) {
  dataLayer.push({
    'event': 'productClick',
    'ecommerce': {
      'click': {
        'actionField': {'list': 'Search Results'},      // Optional list property.
        'products': [{
          'name': productObj.name,                      // Name or ID is required.
          'id': productObj.id,
          'price': productObj.price,
          'brand': productObj.brand,
          'category': productObj.cat,
          'variant': productObj.variant,
          'position': productObj.position
         }]
       }
     },
     'eventCallback': function() {
       document.location = productObj.url
     }
  });
}
</script>

タグ マネージャーでは、UA タグの設定は次のようになります。

タグタイプ: ユニバーサル アナリティクス
トラッキング タイプ: イベント
イベント カテゴリ: Ecommerce
イベント アクション: Product Click
拡張 e コマース機能を有効にする: true
データレイヤーを使用する: true
トリガー: event が productClick と等しい

トリガーは、productClick イベントがデータレイヤーにプッシュされたときにタグを配信するように設定されています。

上記の UA 実装を使用して GA4 にデータを送信するには、次の同等の GA4 イベントが設定されます。

タグタイプ: GA4 イベント
イベント名: select_item
e コマースデータを送信: true
データソース: Data Layer
トリガー: event が productClick と等しい