PageSpeed Insights API(PSI)は、モバイル端末向けとパソコン向けの両方のページにおけるパフォーマンスに関するレポートと、そのページを改善する最適化案を提供します。
PSI はページに関するラボデータとフィールド データの両方を提供します。ラボデータは、制御された環境で収集されるので、パフォーマンスの問題のデバッグに役立ちます。ただし、実際のボトルネックを捕らえていないおそれがあります。フィールド データは実際のユーザー エクスペリエンスをそのまま把握するのに役立ちますが、使用できる指標セットが限られます。この 2 種類のデータについて詳しくは、スピードツールでの考え方の記事をご覧ください。
パフォーマンス スコア
PSI のレポートの上部には、そのページのパフォーマンスを要約するスコアが表示されます。このスコアは、Lighthouse を実行してページに関するラボデータを収集、分析することで決定されます。スコアが 90 以上であれば速い、50~90 であれば平均的と見なされます。50 未満は遅いと見なされます。
実際のフィールド データ
PSI は指定された URL を Chrome ユーザー エクスペリエンス レポート(CrUX)データセット内で検索します。データが入手できる場合は、オリジンのほか、できればその特定のページ URL について、コンテンツの初回ペイント(FCP)と初回入力遅延(FID)の指標データがレポートに表示されます。
速い、平均、遅いの分類
さらに PSI では速度がどのようにみなされるかに関して、「速い」、「平均」、「遅い」の 3 つのバケットにフィールド データを分類します。この分類のしきい値は、Google による CrUX データセットの分析に基づいて、以下のように設定されています。
速い | 平均 | 遅い | |
---|---|---|---|
FCP | 0 ms 超 1,000 ms 未満 | 1,000 ms 以上 2,500 ms 未満 | 2500 ms 以上 |
FID | 0 ms 超 50 ms 未満 | 50 ms 以上 250 ms 未満 | 250 ms 以上 |
一般に、大まかに言って速いページは上位の約 10%、平均的なページは次の 40%、遅いページは下位の 50% です。これらの数値はわかりやすくするための概数です。しきい値は、モバイル版と PC 版の両方のページを対象とし、人間の知覚能力に基づいて設定されています。
FCP と FID の分布と選択される値
PSI ではこうした指標の分布が表示されるので、デベロッパーがそのページやオリジンについて FCP 値と FID 値の範囲を把握できます。この分布のバーも、「速い」、「平均」、「遅い」の 3 つのカテゴリに分割され、緑、オレンジ、赤に色分けされます。たとえば、FCP の 14% がオレンジのバーであれば、観測された全 FCP 値の 14% が 1,000 ms 以上 2,500 ms 未満の間であることを示します。このデータは、過去 30 日間でのすべてのページ読み込みを集計して表示されます。
PSI では、分布のバーの上に、コンテンツの初回ペイントの 90 パーセンタイル値と、初回入力遅延の 95 パーセンタイル値が、それぞれ秒とミリ秒で表示されます。これらのパーセンタイルは、そのサイトでユーザーが最も不満を感じるエクスペリエンスをデベロッパーが把握できるように選択されています。これらのフィールドの指標値も、上記と同じしきい値を適用して、速い、平均、遅いに分類されます。
フィールド データのサマリーラベル
フィールド指標値から総合的なラベルが計算されます。
- 速い: FCP と FID の両方が速い場合
- 遅い: FCP と FID のどちらかが遅い場合
- 平均: 上記以外
PSI と CrUX でのフィールド データの違い
PSI のフィールド データと、BigQuery での Chrome ユーザー エクスペリエンス レポートのフィールド データで異なる点は、PSI のデータが毎日、過去 30 日間に関して更新されることです。BigQuery のデータセットは月に 1 回しか更新されません。
ラボデータ
PSI は Lighthouse を使用して、指定された URL を分析し、さまざまな指標についてページのパフォーマンスを推定するパフォーマンス スコアを生成します。対象となる指標は、コンテンツの初回ペイント、First Meaningful Paint、Speed Index、First CPU Idle、操作可能になるまでの時間、入力レイテンシの推定などです。
各指標にスコアが付けられ、ラベルとしてアイコンが表示されます。
- 「速い」場合は、緑のチェックマークが表示されます。
- 「平均」の場合は、オレンジの丸の情報アイコンが表示されます。
- 「遅い」場合は、赤の三角の警告アイコンが表示されます。
監査
Lighthouse は監査結果を次の 3 つのセクションに分けて表示します。
- [改善できる項目] には、ページのパフォーマンス指標を改善する最適化案が表示されます。このセクションの各最適化案には、実装するとページの読み込みがどのくらい速くなるかの見積もりも表示されます。
- [診断] には、ページがウェブ開発のおすすめの設定にどの程度沿っているかについての追加情報が表示されます。
- [合格した監査] には、そのページが合格した監査が表示されます。
よくある質問(FAQ)
Lighthouse はページ読み込みのシミュレーションにどのような端末とネットワークを使用しますか?
現在、Lighthouse はモバイル ネットワーク上のミッドレンジ端末(Moto G4)でページ読み込みをシミュレートします。
フィールド データとラボデータが食い違うのはなぜですか?フィールド データでは遅いと表示される URL が、ラボデータでは速いと表示されることがあります。
フィールド データは特定の URL の今までのパフォーマンスについてのレポートであり、実際のさまざまな端末やネットワークの条件におけるユーザーから匿名で送られたパフォーマンス データです。ラボデータは、一連の固定されたネットワーク条件で 1 台の端末でページ読み込みをシミュレートしたデータです。そのため、値が異なることがあります。
FCP には 90 パーセンタイル、FID には 95 パーセンタイルが選択されているのはなぜですか?
ここでの目的は、大多数のユーザーに対して、ページが問題なく機能するようにすることです。これらの指標の 90 パーセンタイル値と 95 パーセンタイル値に注目することで、条件の非常に悪い端末やネットワークでも、ページのパフォーマンスが最低限の基準を満たすようにすることができます。
FCP の v4 と v5 が異なる値を持つのはなぜですか?
v5 FCP では 90 パーセンタイルに注目しますが、v4 FCP でレポートされるのは中央値(50 パーセンタイル)です。
ラボデータについてよいスコアとは?
緑色のスコア(90 以上)がよいとみなされます。
実行するたびにパフォーマンス スコアが変わるのはなぜですか?ページは何も変更していません。
パフォーマンス測定の変動は、複数のチャネルでのさまざまな影響の度合いによって発生します。指標の変動の一般的な原因としては、ローカル ネットワークの利用状況、クライアント ハードウェアの利用状況、クライアント リソースの競合状態があります。
その他の質問
PageSpeed Insights の使用についてご質問がございましたら、Stack Overflow に英語で質問を投稿してください。
PageSpeed Insights に関する全般的なフィードバックやご質問がある場合、または一般的なディスカッションをご希望の場合は、メーリング リストのスレッドをご利用ください。
フィードバック
このページはお役に立ちましたか?