モバイルファースト インデックスに向けてサイトを準備するためのヒント

2017 年 12 月 18 日(月曜日)

今から約 1 年前、Google はモバイルファースト インデックスの実験を開始することを発表し、この取り組みの進捗状況については追ってサイト運営者の皆様にお知らせすることを約束しました。今日は、この数か月間にオフィスアワーPubcon などのカンファレンスで発表してきた情報をご紹介します。

概要を説明すると、Google の現在のクロール、インデックス登録、ランキングのシステムは、主に PC 版のコンテンツをチェックしています。ただし、PC 版とモバイル版でコンテンツが大きく異なる場合、この方法ではモバイル検索に不都合が生じる可能性があります。モバイルファースト インデックスは、インデックス登録とランキングの決定についてモバイル版のコンテンツを使用することで、Google のユーザー(主にモバイル ユーザー)が探している情報を見つけやすくするための仕様です。したがって、スマートフォン用 Googlebot によるクロール回数が大幅に増えることになり、検索結果に表示されるスニペットや、Google のキャッシュ ページ内のコンテンツにはモバイル版のページのものが使用されるようになります。

前述のとおりレスポンシブ ウェブ デザインを使用して、動的な配信を正しく実装しているサイト(PC のすべてのコンテンツとマークアップを含む)では通常、何もする必要はありません。ここでは、モバイルファースト インデックスに向けてサイトを確実に準備していただけるよう、いくつかのヒントをご紹介します。

  • モバイル版のサイトでも、高品質で重要なコンテンツを揃えるようにします。テキスト、画像(alt 属性を設定)、動画などを、通常のクロールやインデックス登録が可能な形式で準備する必要があります。
  • インデックス登録や、ユーザーが使いやすい検索結果の機能の実現には、構造化データが重要です。モバイル版と PC 版の両方のサイトに構造化データを追加するようにしましょう。構造化データ内の URL がモバイル版のページに更新されます。
  • メタデータは、モバイル用とパソコン用のどちらのサイトにも必要です。インデックス登録や検索結果の表示の際に、メタデータがコンテンツについてのヒントとなります。たとえば、タイトルとメタ ディスクリプションが、サイト内の全ページの両方のバージョンで同等であることを確認します。
  • モバイル用の別の URL(「m.」で始まるサイト)へのリンクに変更を加える必要はありません。モバイル用の別の URL を使用するサイトでは、モバイル版と PC 版をリンクするための既存の link rel=canonical 要素と link rel=alternate 要素をそのまま使用します。
  • 別々のモバイル URL の hreflang リンクをチェックします。link rel=hreflang タグを多言語化に使用する場合は、モバイル向け URL とパソコン用 URL を個別にリンクしてください。モバイル用 URL の hreflang では、別の言語や地域のバージョンのモバイル用 URL を指定する必要があります。PC 用 URL の場合も同様にして hreflang link 要素を使用します。
  • サイトをホストするサーバーについて、クロール頻度が上がった場合に対応できるだけの容量があることを確認します。これは、モバイル版のサイトを別のホスト(たとえば m.example.com)から配信している場合に必要です。レスポンシブ ウェブ デザインを採用しているサイトや動的な配信を行っているサイトには関係ありません。

Google では上記の基準に基づいて、モバイルファースト インデックスに対応しているかどうかをサイトごとに評価し、準備が整ったサイトから移行していく予定です。このプロセスは、ごく一部のサイトに対してすでに開始されており、検索チームが経過を注意深く観察しています。

モバイルファースト インデックスの導入については、今後も慎重に取り組んでまいります。Google では、このように時間をかけて進めていくことで、サイト所有者の皆様にモバイル ユーザー向けのサイトを準備していただけると考えています。そのため、モバイルファースト インデックスの本格展開を開始する時期についても、現在のところ特に定めていません。ご不明な点がございましたら、ウェブマスター フォーラムまたは公開イベントでご質問ください。