Google アナリティクス Management API を使用すると、プログラムによって Google アナリティクスのデータ インポート機能にアクセスすることができます。
はじめに
Management API により、アップロード、一覧表示、削除、アップロードされたファイルの取得、およびデータセットの一覧表示を実行できます。データ インポート機能のメリットについての詳細は、ヘルプセンターの記事データ インポートについてをお読みください。
Management API には、データ インポート機能を有効にする以下の 2 つのリソースがあります。
- カスタム データソース リソース(管理画面でいうデータセット)。アップロードしたファイルのコンテナとして機能します。カスタム データソースのコレクションは、Google アナリティクスのプロパティに関連付けられているすべてのデータセットを表します。
- アップロードしたファイルを表すアップロード リソース。アップロード リソースのコレクションは、データセットにアップロードしたすべてのファイルを表します。
使用例
データ インポート機能は 3 つのトップレベル カテゴリからなり、それぞれ独自の用途があります。構成は以下のとおりです。
ヒットデータのインポート
払い戻しデータ
一部または全額が払い戻された e コマース トランザクションを Google アナリティクスにアップロードできます。そうすることで、Google アナリティクスの e コマース レポートのデータと処理された払い戻し額を、簡単かつ自動的に照合できます。
払い戻しデータを Google アナリティクスにインポートする方法については、払い戻しデータのインポート例をご覧ください。
拡張データのインポート
ユーザーデータ
個人を特定できないユーザーデータを外部の CRM ツールからアップロードすると、最も貴重なユーザー セグメントに関する Google 広告のリマーケティング ユーザーリストを作成できます。
ユーザーデータを Google アナリティクスにインポートして Google 広告のリマーケティング ユーザーリストを作成する方法については、以下をご覧ください。
- CRM データを Google アナリティクスに統合して、Google 広告のリマーケティング ユーザーリストを作成する
- ユーザーデータをインポートして、Google 広告のリマーケティング ユーザーリストを作成する
キャンペーン データ
キャンペーン データを Google アナリティクスにインポートすると、自社のキャンペーンの掲載結果の分析をカスタマイズできます。
キャンペーン データを Google アナリティクスにインポートする方法については、Management API を使用したキャンペーン データのインポートを参照してください。
地域データ
地域 ID と地域とのマッピングをインポートできるため、Google アナリティクス データのレポートをカスタム地域別に作成できます。たとえば、米国では東部、中部、西部の州グループで処理し、ヨーロッパでは北部、中部、南部の国グループで処理することができます。データをインポートする際は、キーとして ga:regionId
、ga:cityId
、ga:countryIsoCode
、ga:subContinentCode
を使用できます。市区町村 ID と国 ID は、ターゲット地域の表で確認できます。ISO 国コードと亜大陸コードは、それぞれ ISO-3166-1 alpha-2 と UN M.49 の表で確認できます。
地域データのインポートについて詳しくは、地域データのインポート例をご覧ください。
コンテンツ データ
作成者やトピックなど、コンテンツ関連のメタデータをアップロードすると、Google アナリティクスを活用して、ウェブサイトで公開されている記事の詳細な分析を実行できます。
コンテンツ データを Google アナリティクスにインポートする方法については、コンテンツ データのインポート例をご覧ください。
商品データ
商品データを Google アナリティクスにインポートすると、ページビューやイベントなどのヒットと一緒に送信する e コマースデータを簡略化し、量を減らすことができます。インポートした商品データには、商品 ID か SKU を 1 つ結合させることができます。そうすることで、レポートに商品のディメンションや指標などのデータを入力できます。
商品データを Google アナリティクスにインポートする方法については、Management API を使用した商品データのインポートを参照してください。
概要データのインポート
費用データ
Google 以外の有料キャンペーンの費用データをアップロードすると、Google アナリティクス プラットフォームを活用して、投資収益分析を実行し、すべてのオンライン広告とマーケティング投資のキャンペーンの掲載結果を比較することができます。
費用データを Google アナリティクスにインポートする方法については、Management API を使用した費用データのインポートを参照してください。
コンセプト
処理ステータス
ファイルをアップロードしてから、アップロードが検証、処理されるまでは、アップロードのステータスが PENDING
になります。処理が正常に終了すると、ステータスは COMPLETED
に変わります。
処理中にエラーが発生し、アップロードに失敗した場合は、アップロードのステータスが FAILED
になります。エラーリストを見れば、ファイルの問題点を特定できます。検証に失敗したアップロードのレスポンスの例を次に示します。
{
id: "YU4DersR_ORzyzXC_AoWw",
kind: "analytics#upload",
accountId: "12345",
customDataSourceId: "poaU7EPcR4WGU-dkNghYKQ",
status: "FAILED",
errors:
[
"Invalid cell data 12.99 at row 1 column 6. expected data type LONG.",
"Invalid cell data 12.99 at row 2 column 6. expected data type LONG.",
"Invalid cell data 23.81 at row 3 column 6. expected data type LONG.",
"Invalid cell data 199.99 at row 4 column 6. expected data type LONG."
]
}
費用データの合計と上書き
費用データのカスタム データソースまたはデータセットを作成する場合、既存の行と一致するキー(日付、参照元、メディアなど)を含むデータ行がアップロードしたファイルに含まれているときの処理方法を指定できます。処理方法は次のいずれかです。
- 合計(デフォルト)- 新しいデータを一致する過去のデータに追加し、指標を合計します。
- 上書き - 新しいデータで一致する過去のデータを上書きします。
データセットに設定されたタイプを調べるには、カスタム データソースの list メソッドを使用して importBehavior
プロパティが OVERWRITE
と SUMMATION
のどちらに設定されているかを確認します。
行レベルでの費用データの合計と上書き
ヘッダーに ga:importBehavior
列を追加すれば、アップロードするファイルごとにデータセットの動作をオーバーライドすることも可能です。ga:importBehavior
の値を行単位で SUMMATION
または OVERWRITE
に設定することができます。
たとえば、以下のファイルは、Facebook / CPC と Yahoo / CPC の前の費用データを上書きしますが、Bing / CPC の行は、特定の日付と参照元 / メディアの組み合わせに基づき、既存の費用データに追加されます。
ga:date,ga:source, ga:medium,ga:adCost,ga:importBehavior
20140604,facebook,cpc,12.23,OVERWRITE
20140604,bing,cpc,3.23,SUMMATION
20140604,yahoo,cpc,11.23,OVERWRITE
形式と制限事項
Google アナリティクスにデータをアップロードするには、適切な形式の CSV ファイルに含める必要があります。このセクションでは、すべてのタイプのデータ インポートへアップロードできるように、守る必要のある制限事項について説明します。
下記の制限事項のいずれかに違反したり解析エラーが発生したりすると、アップロード リクエストは失敗し、エラー メッセージが返されます。無効なアップロードの低減に役立つ情報として、1 個の API レスポンスにつき最大 10 個のエラーが返されます。
ファイルの制限事項
- エンコード: UTF-8
- ファイル サイズの上限: 1 GB
ヘッダーの制限事項
- 最初の行は列ヘッダーと見なされます(列ヘッダーは必須です)。特定の列に含まれるディメンションと指標を指定する必要があります。
行の制限事項
- 1 行につき 1 MB のサイズの上限があります。
セルの形式
- セルには最大 2048 文字(半角)の値を指定できます。
- セルの値の前後にあるスペースは削除されます。
- セルの値としてカンマを使用する場合は、値全体を二重引用符で囲む必要があります。たとえば「
source1,"medium,ether",group1,100
」と指定すると、2 番目のセルの値は「medium,ether」になります。 - セルの値として二重引用符を使用する場合は、値全体を二重引用符で囲んだうえで、エスケープ文字としてもう 1 つ二重引用符を追加します。たとえば「
source1,"medium""ether",group1,100
」と指定すると、2 番目のセルの値は「medium"ether
」になります。